Img_85bd755863bd22d0d3d56dad468f21e7
Img_db02c469e6a9c4645078296e9d0668bd
Img_c9e8a2264a6100eca7a7cffc1d6c3b2d
明日から忙しいので、今のうちに書いておきます。これから一週間は友達の家に泊めてもらったり、夕食に御呼ばれしたりの日々が続き、イングランド中部から南部、そしてスコットランドと移動しながらも、お喋りしてるのか仕入れているのか食べてるのか、どれがどれなのか分からないような日々が日曜まで続きます。これもひとえにイギリスのお友達のお陰であります。感謝、感謝です。あっ、でも基本的には仕入れの旅であります。体力は要りますが楽しいです。
良い物、面白い物を仕入れるには色んな所に積極的に動き回るしかないんです。動いて色んな人と話してるとマーケットの変化とか色んな事情が見えて来るんです。イギリス人の地元のディーラーはそれぞれ自分のテリトリーと言うか動く範囲が決まってるので、僕がやるような広範囲の移動はしません。でも、僕らガイジン・ディーラーは色々と動くことで矢張り学べるものがあるんです。兎に角、無駄が大切なのです。
写真はロンドンの地下鉄の通路と車内です。ロンドンの地下鉄のデザインってとても美しいと思います。僕は世界一美しいと思います、ニューヨークもベルリンも行ったことないですが。勝手にそう思い込んでます。
Img_258c78eb7d09d3075d11134fa939f7cf
Img_250b343e65912d6e6016983f370cf6d5
こんなに静かなロンドンは初めてです、地下鉄で乗り換えのときに地下通路を歩いていると今迄ならいろんな音が聞こえて来たのです。何時もなら必ず居るはずの楽器を弾く芸人も全く見かけません、儲からないんでしょうか、それともテロ対策か何かの理由で地下鉄通路での演奏は禁止になったのでしょうか。車内でもなんか静かな感じがします、普通なら話し声や笑いがもっと聞こえて来てた気がするんですが。皆んな何か、下を向いて四角い機械を弄るのに忙しい感じなんです。何か暗い。僕の気のせいかな。だったらいいんだけど。Brexit(EU離脱)がどうなるのか先を見通せない中で、不安と景気の悪さがこの暗さの原因なのでしょうか。こんな感じで地下鉄に乗っているのは初めてですね。何時もならもっとワクワクするような楽しさがあるんですよね。
今日は仕入れでコッツウォルズに行ってました。田舎での仕入れは楽しかったですし、割と良いものが買えました。田舎に行くとほっとしますね、特にこんなときは。アンティークの市でお年寄りのディーラーと話してるだけで疲れ気味の心が和んできます。お金の為というよりも、アンティークが好きで楽しんでやってるというのが伝わって来て、こちらも自然と嬉しくなるんですね。テーブルの上の物の並べ方、説明するその口調や声音、顔の表情にそれが滲み出てるんです。ロンドン近郊ではこういう感じはほぼ無いですね、もっとアグレッシブで駆け引きと計算の臭いです。矢張り何年やっていようが、好きでやっている、と言う気持ちを捨てないで持ち続けているのが一番です。そんなディーラーと出逢うとお互い気持ちが通い合います。そんなときに初めて出逢ったディーラーから去り際に 'Nice to see you.' と言われるときほど嬉しいことはないですね。
写真は午前四時のテームズ河の眺めです。
Img_f8efd204ee5f81def92397a13b19e0ff
イギリスに着いて三日目、寒いです。写真は昨日(11/9)の朝出掛けるときに撮ったもの、深い霧に包まれていました。雰囲気があり、冬のロンドンと言う感じですが、やはり寒い。
早速昨日から少しずつ仕入れてますが、昨日行ったアンティークの市も今迄にない人の少なさで、やはり景気が悪いんですね。今日行ったアンティーク・フェアーも規模が縮んでました、寂しい限りです。少しだけですが良い面もあるようです。本当に古い物を好きな人だけが好むような面白い物が売れないで残っていることが以前よりも多い気がします。ちょっと変わった渋物が意外と見逃されているんですね。矢張りこんな時代は面白い物が売れないんでしょうね。だから、フェアーに行ってひと回りした後でも、なんでこんな面白い物が未だ残ってるの、と思うような物に誰も手を出さないんですね。まあ簡単に言えば、本当に物が見えてる人が減ったんだと思います。分かりやすい高級品はすぐ売れるんですが、必ずしも高級でなくても言葉では表現し難い面白い物は売れない。自分の店に置いてある物でも同じです。本当に面白い物は意外と売るのに時間が掛かる。本当に面白い物ほど一見地味なので、パッと目に飛び込んで来ないんですよね。こっちも同じくらい静かにしていないと目に入らないんです。
僕も性格が捻くれているので、お客さんがそういう面白い物に気付かなければこちらからはわざわざ言わない。でも、お客さんの方からさきに、これっ良いですね、とか言われると途端嬉しくなって延々と素晴らしさをつい語ってしまう。
と言うことで、面白い物が売れない、と言うイギリスアンティーク界の寂しい現状でした。
Img_59752246752cfb679466a126c3a0e7f7
11/8〜12/7の4週間、イギリス仕入れで休みます。12/8の日曜のお昼過ぎから開けます。年内は30日の月曜まで営業します。後、1月は1/2〜1/5まで開けて、その後4週間の休みに入ります。今書いている物語を完成させるために休みます。すみません、休みが多くて。お店が潰れないようにしっかりやりたいと思います。今年の夏頃から1月は店を休んで書くことに専念しようと考えていたので、まあ自分の中では納得してのことですが、その間収入はないですね。でも、書くことに没頭出来る、それはとても楽しみです。非現実的世界に書くことを介してどっぷりと浸かれる訳ですから、自分の精神が新しいことを体験出来るのがとても楽しみです。その書いたものがその後どうなるこうなる、と言うことではなく、とにかく書き上げて本にして形あるものにして出す、と言うことが目的ですね。中編が2つと多分短編が2つ3つですかね。200ページ足らずの文庫に出来たらと思っています。面白いかどうかは、どうですかね、、分かりません。まあそれは読者が決めることですからね。
その前にイギリスでアンティーク仕入れて来ます。何があるのか、これも行ってみないと分かりませんし、運もありますしね。運と体力とお金と気持ち、そして平常心。この辺りのバランスが良ければ良い仕入れになるだろうし、どれかが欠けると、上手くいかないわけです。今、気持ち、と書きましたが、あっさりしてはいけないんです、矢張り欲が大切。「欲しい」と言う気持ち。これが重要です。それから、今書いたことと全く違いますが、イギリスのアンティーク・ディーラーに好かれること、これも大切。好かれないと物は寄ってきませんよね。
元気な顔で皆さんに12月会えるようしっかりハタライテ来ます。
ではお元気で!
Img_a89ba2e5cdfed73a18e52ae6d01a94c6
すみません、明日の10/29(火)はお休みします。申し訳ありません。
写真は18世紀の版画に手彩色したものです、恐らく今のドイツ辺りのものでしょうか。よく分かりません、オランダで仕入れました。売り物ですが額が良くないので作り直そうと思っています。
ここのところ、二冊の本、西東三鬼の「俳愚伝」と色川武大の「怪しい来客簿」を交代で読んでました。どちらも味わい深い作家で優劣のつけ難い二人ですが、個人的には三鬼の方に親近感を感じます。彼のこの本にはお金にもなら無い俳句に妻子や色んなものを犠牲にしてのめり込んで行くその「愚かさ」が書かれていて、それが本のタイトルにもなっています。この三鬼と言う人、とても不思議な魅力を備えていたようで、会えるものなら会ってみたかった人です。僕が生まれる一週間前に亡くなっています。元々彼はシンガポールで歯科医をやっていて、30代の時ひょんなことから俳句の世界に入っていくんです。明治生まれの人ですが、若い女の子とレストランに行ってもちゃんと椅子を引いて座らせてあげてたそうです。
怪しい魅力を湛えた人、そんな人に会いたいものです。