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ここ一二年ですか、ロンドン近郊のアンティーク・マーケットで若い中国人をよく見かけます。アンティーク・ディーラーのスタンドの前で携帯片手にずっと動かず何かやっているのです。気になる物があるとその場で写真を撮って(恐らく)中国人のお客にその画像を送って見てもらい、先方がそれを欲しいかどうか確認してから買うらしいのです。それで何時までもそこを離れず写真を撮ったりで忙しくしているのです。僕にはちょっと異様な光景ですが、こっちのディーラーも人によりますが文句も言わず好きにさせている人も結構います。買い手が見つかってから仕入れる。本人たちは賢く振舞っているつもりなのでしょうか。でも、きっとこの手の人たちはそう遠くないうちに消えていなくなるでしょうね。イギリスの年配のディーラーたちも内心そう思って放っているのかも知れません。今から十年以上前、若い日本人のアンティーク・ディーラーが沢山いて、色んなマーケットでよく見掛けました、英語も出来て土地勘もあり、デザインか何か他の仕事を掛け持ちしている、そんな若い子たち。多分思ったよりも儲からず割りに合わないと感じたのでしょうか、みんな消えてしまい今は全く見掛けません。なんの仕事もそうでしょうが、このアンティークの世界も真面目にやればやるほど効率が悪くなりますし、イギリスのアンティークの世界も中々ガードが堅いのです。一見して、どこでも入って行けそうに見えてもそこには見えない壁が幾層にもなって隠れているのです。その壁が見えて来て、それを少しずつ越えていく地道な作業。別に誰が教えてくれると言うわけでもないので、少しずつ自分をイギリス人に同化させていくしかない。卑屈にならずに自分をイギリス的なものに近付けていく。これが時間が掛かる作業なんですが、上手に同化していくと相手もそれを察知して自分への態度が変わって来る。不思議なものです。自分の場合イギリスに毎年二ヶ月くらい来続けて、この同化の作業に15年位掛かったように思います。上手く言えないのですが、イギリス人のように振舞うことと日本人であること、この二つの間の絶妙なバランスのようなものを自分の内に確立することなんです。
さて明日も早いのでもう寝ます。近い内に私の苗字「塩井」がこちらにもある、という話をしたいと思います。では。