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急にロンドン行きを決めたのでQueenswayのアパートが最後の四泊しか予約できず、それまでは近くの安宿に滞在です。これまた直前の予約だったので最上階の屋根裏部屋で、小さな窓からの眺めはこんな(左の写真)感じです。Queenswayの街が好きなのでガマンガマン、I love Queenswayなので、この地区に居られるだけで満足、それにとても便利なのですロンドンを移動する起点としては。
昨日は知り合いのディーラーに会いに、以前はポートベローに次ぐロンドンのアンティーク街として栄えていたAngelに行きました。真ん中の写真、レンガの建物は以前はAngelのアンティーク街のシンボル的な存在で、沢山のアンティーク・ショップが入っていて賑わっていました。それがリーマンショックの前後ごろだったでしょうか、アンティーク・ディーラーは全て出て行かなければならなくなり、建物は外装を残して高級ジーンズ・ショップに改装され、そして今度は今ロンドンで人気のSuperdry(極度乾燥しなさい)の店舗に変わるようです。Superdryはビールじゃなくて洋服屋です。嘗てはAngelのアンティーク街の「顔」だった建物がこのように移り変わるのを目の当たりにすると、なんとも複雑な気持ちになります。特にこの十年のロンドンの街の衰退は酷いですね、趣味の物を商う個人商店が本当に消えました。真面目にいい商いをして、暮らしを立てようと思っても、グローバル経済がそれを許さない、随分飛躍に聞こえますが、ざっとそんな印象です。未だ日本の本屋には「古いものを大切にするイギリス人」というステレオタイプに媚びる本が並びますが、事はそれほど単純じゃないですね。ただイギリスは18世紀以降、近代経済の主な担い手であったという自負と誇り、それは今でもありますよね。「自負と誇り」だけが残り、街は形骸化していく・・。そう言えば、個人経営のカフェが消えて代わりにスタバが増えました、ロンドンも。
(追記) 今日Queenswayの通り(右の写真)を歩いていて気付いたのですが、この街の雰囲気、そう言えばアムステルダムに似てるな、と思いました。インド、イスラム、中華、ラテン、アフリカなど、いろんな人種が混在していて、それぞれの在り方で楽しそうにしている。人種のヒエラルキーが殆ど感じられず、それぞれ並列で自由である。ロンドンでは珍しいですねこの雰囲気は。あー、そっか、ここってロンドンのアムスなんだと今日気付きました。
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一昨日はアンティークの市をハシゴしたので、ロンドンに戻って来たときはかなりヘトヘト。キングズクロス駅でチキンカツカレーを買ってたべました。数年前から人気のWASABI、ロンドンの街中でも良く見かけるテイクアウトの寿司チェーン店です。味ですか?ちょっと粉っぽいけれど、日本で食べるカツカレーと殆ど同じ味で結構いけました、いや、美味しかったです。ロンドンの駅でカツカレーが食べられるなんて十年前には考えられなかったこと、別に日本食が恋しい訳ではないですが、こういう時に簡単に慣れたものが食べられるのは有り難いです。一昔前だったら、イギリスでは明けても暮れてもサンドイッチ、サンドイッチ、そしてまたサンド、帰国する頃にはサンドを見ただけで軽い嘔吐感を感じたものです。
この写真の背景に写る小さな女の子が大きな駅を見下ろしているのがカワイイですね。別に狙ったわけではないのですがたまたま写り込んでいました。このキングズクロスの駅舎は新しいですが、イギリスでは今でも古い駅舎が結構あって、そんな古い駅のホームに半ば疲れて立っている時に何処か遠い処からやって来る既視感、デジャヴのようなものを感じる時が本当にたまにあります。もちろんこちらの勝手な想像ですが。ヨークの駅にたまに行くと、緩くカーブした長いホームに立ちながら何処か遠いとおい記憶が自分に触れて来るのを多少の怖さを伴いながら感じるのです。理由なんて分からないし、分からなくていいのです、過去生の記憶に触れたような、その感触がただ冷んやりとしていて、眼前の光景が既にもう遠くから訪れたもののように感じるのです。ヨークは不思議です、エジンバラも同じ感覚をもたらします。エジンバラに行くといつも「帰って来た」という感覚ですね、本当にcome home、って感じます。
カツカレーの話がいつの間にかシュールになりました。話はいつも「飛ぶ」のです。
ではまた。
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成田空港の中にMUJIのお店があって、搭乗前に暇があると、何か仕入れ旅行に役に立つものはないかと覗くのですが、さすが成田空港の店舗のせいか、これは仕入れで荷物を運ぶのに役に立つのでは、と思うものが見つかり、ついつい買ってしまうのです。左の写真のグレーのバッグと、ゴロゴロ(正式な呼び名を忘れました)、共にそこで見つけて買ったものです。軽くてかさ張らず、丈夫で機能的。重宝しています。田舎に仕入れに行って、持ち切れないほどのものを買ってしまったときに、それをどうやって無事にロンドンまで安全に持ち帰るかは重要な事で、ロンドンに着くと丁度夕方のラッシュアワーだったりすることがよくあり、人にぶつかったりすれば、グラスや磁器は壊れてしまいます。ロンドンの地下鉄のホーム、通路の人混みの中を安全にアンティークを運ぶ、昔に比べれば慣れたものですが、それでも矢張り神経を使います。それで今回はMUJIグッズに大活躍頂いています。
田舎に電車で出掛け、帰りの電車がロンドンの駅のホームに着き、人が流れるように改札の方に歩いて行きます、みんな何故か早足で、電車から吐き出される蒸気のような音、高く大きな天井から響き降りて来る、電車の時刻と停車駅をアナウンスする声、そして自分の前を歩く人たちが残していく微かな香りのようなもの、僕は大きく息を吸い込むと何時も、あぁ、戻って来たな、とたった一日か二日のことなのに随分と時間が経ったかのように感じるのです。この瞬間の軽い、本当に軽い高揚感がとても好きです。ロンドンやパリのように、ヨーロッパの大都市の駅には、今でも「物語」の残滓のようなものを感じる時があり、上手く言葉に出来ませんが、時間の古層のようなものがそこに今でも漂っている感があります。
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そろそろ帰国なので、仕入れたものをパッキングしている最中です。とは言えサボりたくなるのが人間の性、QueenswayにあるWaitrose(高級スーパー)に時々買い物に行くのですが、その入口側に前から気になっていたカフェがあったので行ってみました。ビルとビルの谷間に出来た「路地」の空間、人生のメインストリームから少し逸れたところでひっそりと暮らす人たち、敢えて逸れることを選んだエトランゼがポケットにある小銭でしばしの憩いを求めて集う場所、そんな感じのカフェです。あと五分もここからNotting Hillのほうに歩けばオシャレで小銭じゃなく札がないと行けないカフェが並んでいますが、私はここが良いのです居心地が。外に席に座り、細く暗めの道を仕事帰りに行き来する人々を眺めます、皆んな虚飾のない生活感に溢れ、諦めや影を帯びていてもその姿には無理がなく優しく、映画の中でストーリーに関係のない人々がさり気なく映し出され、それが何となく心を離れない、そんなものでも眺めているようです。丸テーブルの上にパイプと本(コルタサル短編集、素晴らしいです!)とノートを並べて吸うともなく、読むともなく、人間ウォッチングです、双眼鏡は使いませんが。大都会の中でこのような「路地」を見つけるとホッとします。グローバル経済の「暴力」でロンドンでもこの様な場所が森林伐採のように消えて行くのは悲しいことです。
カフェのおじさんはとても優しい顔の人でした。今日も実は今から行こうと思っています、まだパッキングもあるのに。
明日帰国します。
see you soon.
(追記)カフェに行ったら写真の左にいるおじさんが同じ席に座って、ゆっくりとサラダか何かを摘まんでました。カフェの名前は、Le Bistroといいます。