Img_e1a49bfe4e258ed59cfd623f2b430220
イギリス仕入れのため、11月19日(水)〜12月11日(木)お休み致します。丸三週間の仕入れ、いつもより少し長めです。ガンバって探して来ます面白いものを。こうやってイギリスに仕入れに行くようになって17、8年になります。まだアンティーク・ディーラーとして初々しかった頃をたまに思い出します。今よりももっと力んでいたような気がします、百戦錬磨の強者どもになめられないように構えていたのでしょうか。イギリスのアンティークの世界は基本的に白人世界、色んなディーラーがいるとはいえミドルクラス以上のアングロサクソン系の人たちを中心に成り立っているのは今も変わりません。その見えない壁が立ちはだかるのを何とか乗り越えようと、あっち叩いたりこっち撫でたりすること約十年くらいでしょうか、その頃からイギリスでの仕入れが楽しいと思えるようになりました。今までどうしても消えてくれなかった「壁」が気がつくとさほどあるようには感じません。自分の見てくれや英語が昔とたいして変わる訳ではないのに、自分がイギリス人のような扱いを受けることに密かな嬉しさ心地よさを感じるようになったのもその頃からです。
リラックスしていると人間は見える風景も変わります、同じ場所にいるのに今までと違ったことに気がついたり、今まで見えなかった些細なことに眼が留まります。アンティークを探す時もそのようなことが大きく作用するようで、ほんの少しの心の動きで人は見るべきものを見逃すのです。人間がある場所で「何を見て何を見ない」かはとても不思議なことで、把握しきれないほど多様な要素が絡み合って決まるのでしょう。だからこそ人は「見る」ということに何時までも飽きないのでしょうか。
またこのページでイギリス、スコットランド、オランダから駄文を綴りたいと思います。では、また近いうちに。
Img_8fd88a64f20c7f6dead890b6d23ea138
エジンバラからロンドンに戻る電車の中で見た夕日です。ティーを買いに隣の車両に行く途中、ドアの窓が下に下りていて風が吹き込んでいます。夕日が美しかったので、カメラが風で飛ばされるのではと思うくらいの強風の中、急いでパチリ。特急列車がフルスピードで飛ばしている時にドアの窓が全開というのも中々良いものです。まだイギリスに着いて三日目ですが、移動の連続と英語での会話で、身体と脳がビックリ気味で夜になるとぐったりしています。言い訳のようですが、気の利いたことなぞ書けそうにないので、今日はこの辺でお許しを。エジンバラで友人がボタニカルガーデンに連れて行ってくれたのでそのレポートは数日後に致します。ではまた。(ここまで書いてソファーで寝てました)
Img_5f87f2dd0a44fbc88205c954523418bd
Img_596e834a82cf3b351a8999f912c3078a
仕入れ期間も3週間くらいになると、いかに食べるかが重要になります。ロンドンでまともな夕食を外で取ろうとすれば、五、六千円はかかりますし、サンドイッチでは体が持ちませんし、チャイニーズのテイクアウトも飽きますし、結局自分で作るのが一番です。ちゃんと食べると次の日に荷物を持って歩いていても、足の動きが軽いものですし、疲れてくると仕入れていても、買わなくて良いような物に手を出したり、基本動作のミスも増えます。僕の場合、日本を離れていて、あ〜米が食べたいよ〜、というのは全くありません。麺類さえあれば大丈夫です、麺なら何でも幸せになれます。今から一生米なしでもオッケーです。が、和菓子は食べたいな〜。昔アイルランドに住んでいたときに、和菓子が食べたくて、かしわ餅の夢を見たことがあります。寝ても覚めてもかしわ餅、一日中それ以外のことは考えられませんでした。
左の写真が今日の夕食です。自分が食べる物を載せたりするのは、大、大嫌いなのですが、このような話の流れなので、お許しを!イギリスのソーセージは余程丁寧に火を通さないと食べられませんよね。痛風を治すために豚肉は止めたはずなのですが、未だソーセージは食べているという矛盾。成分表示を見ては、うーん、鳥も入ってるしいいかな、なんて妙に納得してソーセージを食べています。
右の写真はKingstonの街で見た、テレフォンボックスのオブジェです。アート作品らしいです。
今から読書します。日本から持って来た正岡子規についての本でも読みます。
では皆さん美味しいかしわ餅でも食べながら良い日をお過ごし下さい。
Img_32a1906107359b8df58d73b619dc3aa9
Img_505535bedee803e8056e31dc800d92c8
Img_e107b4a63aa8910f396a24c5727780d1
昨日はロンドンから電車で北へ一時間ほど行き、仲の良いアンティークディーラーの紹介で知り合ったディーラーから磁器類を主に仕入れて来ました。最近は個人のディーラーに田舎まで会いに行き仕入れることが多いです、普通のマーケット(市)を回っても面白いものが本当に少なくなっているので、信頼関係が築けそうな人との出会いがあれば、個人的な付き合いの中で仕入れをさせてもらう事になります。昨日のディーラーは60代前半のイギリス人の男で、聞けば14歳の時にこの世界に入り、60年代からこの世界の変遷と盛衰を見てきたそうです。品が良くて気取らなく、ガツガツしたところの微塵もない、骨董の垢に染まらない人なので、これにはかなりびっくりしました。60代を過ぎたばかりでキャリアが50年近いというのも凄いですし、それでいて「汚れていない」というのが稀有でもあります。彼が子供の時に祖父にこう言われたそうです、「骨董の世界はとにかく色んな人に会えるのが面白い」と。彼がこのような英語で表現したのが僕の心にとても響いてきました。 'You meet all kinds of people from a duchess(公爵夫人) to a dustman(ゴミ収集人).' 祖父が彼に伝えたこの言葉の、'from a duchess to a dustman' という音の軽快な魅力がスーッと僕の中に格別な意味を伴って届きました。その言葉は単に音としての愉快さと意味の深みが重なって何故か僕の耳に美しく響いたのです。このような言葉は一度聞いただけでも心に残りますし、何年経った後でも覚えているものです。
こんな言葉に出会えると仕入れの日々も特別なものになり、肩に背負う荷物も心ばかりか軽くなるものです。(とカッコよく締めましたが事実です)