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数日前に朝4時起きでLondon の King's Cross station (写真) から田舎のアンティークの市に行って来ました。酷い雨と風で濡れながら広い敷地内を歩いていると、草地の上にテーブルを出してアンティークを売っている人もいます。もちろん並べてある物もずぶ濡れ、足元も泥濘んでいて酷いもんです。どんな処に何があるか分からないのがアンティークの面白さ、醍醐味です。その様な出店の一つに近づいて見ていると珍しい絵柄のクッキーのブリキの缶があり、買いました。売っていたのは雨合羽の様なものを着た50代くらいの大柄な女性、素朴な感じの人でした。お金を払うときに僕が、酷い天気ですね、良くなるといいけど、と言うと、彼女が、きっと良くなるわ、あなたがお日様だから、みたいなことを言うのです。まあ良くあるお世辞めいた言葉だと思い、軽く流していると、更に続けて、もうこの2日の間(この市は2日間開かれています)に会わなかったらもう今年は会わないだろうから、良い年を迎えてね、と言うのです。僕は、ちょっと変わった人だな、と思い始めていると、更に続けてこう言ったのです。(訳すと陳腐に響くので英語のまま書きます) "Keep singing. Make everyone happy!" その時の彼女の僕を見遣るその自然でいて何処か意味のある、こちらを見透かした様な眼の表情もあって、その言葉が何処か僕の内の日頃は忘れている場所にスッと落ちて来て、虚を突かれたのです。何気ない言葉ですが、忘れられない言葉が「贈られて」来たのです。
" Keep singing "
この一言を忘れずにいたいと思います。

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三週間の買い付けももうすぐ終わり、昨日今日とパッキングに追われていますが、昨日はロンドン郊外のアンティークの市に朝から行き、イギリス人のアンティーク・ディーラーの友人と待ち合わせていると、ロンドンまで車で送ってやると言うので、駐車場まで歩いて行くと、何と車がアストンマーチン。フランスに住んでいる友人に借りていたらしく、今からピカデリーまでその車を戻しに行くと言うので、僕も乗せてもらいました。僕のような人間には全く縁の無いような高級車に乗って急加速で周りの車を抜きながら走るロンドンの風景は、何時も地下鉄とバスしか乗らない僕には新鮮でした。ただ、メイフェアーの裏路地に入り込むとアストンマーチンクラスの高級車が両側に何台も駐車してあり、さすがロンドンです。彼と別れた後、一度アパートに帰りパッキングをして、5時過ぎにまた出掛けました。Barbican Hall (真ん中の写真)でのクラシックのコンサートに行くためです。その日はロンドン・シンフォニー・オーケストラがモーツァルトのピアノ協奏曲の9番をやるのです、ピアノはマリア・ジョアオ・ピレシュです。僕はモーツァルトのピアノ協奏曲は9番が最も好きで、しかもピアノがピレシュ、これは逃すわけにはいきませんでした。演奏はどうだったかって、まさに ' Heaven' でした。ピアノ独奏の部分でピレシュの奏でるピアノの音が小さくなっていくと、ホール全体も小さく小さくなりホールの空間が彼女のピアノの音に引き込まれて行くのです。音楽の神様に仕える者のみが奏でることが出来る、何処か別の世界から降って来るような音でした。鳴り止まない拍手に応えて、ショパンの(多分)ノクターンをアンコールで弾きました。彼女が弾き始めると、僕は胸から思わずの喜びの声にもならない呼気が喉元にこみ上げてきました。後半は休憩を入れてブルックナーの交響曲でしたが、なんかもう何も耳に入れずに、この余韻に浸っていたかったのと、(パッキングもあったので) 途中でホールを抜けてBarbican の地下鉄の駅までの無機質な道(右写真)を歩きました。地下鉄に乗ってもまだ余韻が冷めず向かいの座席に転がっているクシャクシャに丸められたゴミまで美しく見えました。今回の旅を締めくくる素晴らしいコンサートでした。
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年末年始の営業日のお知らせです。
12月23日(水)、30日(水)は営業致します。
今年は30日(水)まで休みなしで営業致します。
新年は4日(月)の午後からと5日(火)は開けております。
6日(水)〜8日(金)は岐阜市の stenport さんでフェルメールのアンティークを売って頂く(1/6〜1/16)ので
stenport にいるので、この三日間はお休みします。
1/8(金)の夜は7時から stenport さんの姉妹店舗、nakaniwa さんでトークショー、というかお話しをします。今回のテーマは「水平と垂直」です。このニュースのページの今年八月末に書いてある岐阜でのトークショーの続編です。岐阜、名古屋近郊のかたでお時間あります方は是非どうぞお越し下さい。自分の話しは面白いかどうかはよく分かりませんが、今夜中に起きて準備中です。アンティークも今回仕入れたものなどを持って行きます。

店の中が未だごたごたしていて、届いたアンティークの荷解きをしながら日々過ごしております。写真は今回仕入れた1900年頃の水彩画です。小品ですがこの絵に妙に惹かれるところがあり仕入れました。好きな絵なので売れなくてもいいような気もしますが、きっと売れるでしょう。売りたくないものは売れ、売りたいものは売れない。まあ大体世の中そんなものです。会いたい人には会えず、会いたくない人には会ってしまう、ということも良くありますよね。

では、年末年始にかけてお会いしましょう。
ああそれと「そらあるき」がやっと出ます。長らくお待たせしてすみませんでした。もうみなさん呆れている頃でしょうが、何処かで見かけたら手に取られて下さい。
では、お元気でお過ごし下さい。
See you soon.

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岐阜市の stenport さんで1/6(水)〜1/16(土)の間フェルメールのアンティークを展示販売して頂きます。6~8日の三日間は私もお店におります。8日(金)の夜は7時からstenportさんの姉妹店のカフェnakaniwaさんで私のトークで一時間半程「水平と垂直」というテーマで話します。今年の夏にstenportさんでさせて頂いたトークの続編でもあります。前回のテーマはディテールでしたが、今回はそれに「水平」と「垂直」という二つの軸を持ち込んで話します。是非お越し下さい、自分で言うのは恥ずかしいですが。
アンティークは、指輪、ネックレス、ブローチなどのアクセサリー、シルバーのカトラリー、グラス、木の箱、レース、腕時計、布もの、小さい変わったものなどを持って行くつもりです。殆どがイギリスの物です。「東京でもロンドンでも見ないもの」がフェルメールの方針なので、地味に変わったものを見て頂けると思います。
今回は三日間はお店におりますので、他のスタッフさんに迷惑をかけながらもがんばります。お久しぶりにお会いするのを楽しみにしております。