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いよいよ明後日から仕入れです。イギリスに4週間。割と長いですね。今は色々と準備に追われています、と言いながらもデジカメを買い直しました。この八年使っていた携帯用の小型のパナソニックのカメラが壊れ始めた(露出補正ボタンが時々動かない)のと、液晶画面を見て写真を撮るのがどうもイヤで新しく買いました。ソニーのちょっと高級な奴を。型落ちしていたので安くはなっていましたが六万円弱しました。ファインダーが付いていてマニュアル・フォーカスが出来、レンズが明るい(今度のは開放でF1,8です)コンパクト・デジカメ、となるとそこそこの高級機になります。今日は連休なのにヒマで、新しいカメラを弄って店内の物を撮っては遊んでました。ここに載せている三枚が新しいカメラで撮ったもの。やはりファインダーがいいですね。ファインダーを覗いて撮るのと液晶画面を覗いて撮るのは、何処か紙の本を読むのと液晶画面で読むのくらい僕にとっては違うのです。やはり「覗く」のが好きですね。
さてこの新しいカメラ、もちろんロンドンに持って行きますので今回のこのページでのイギリス便りの写真は前よりも奇麗な写真で楽しんで頂けるかと思います。と、新しいカメラを買ってしまったことを正当化しております、いやいやあれは要るんだったよ、必要だった、とね。
では皆さんお元気で。明日まで営業して次に開けるのは6月3日です。
ロンドンに行ってちょっと落ち着いた頃にこのページを更新致します。
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イギリスに来て一週間近く経ちました。先日もイングランド南東部の田舎のアンティーク・マーケットに行きました。昔はよく見かけたような市で、その地域のディーラーが公民館みたいな所に集まってのんびりとやっている。大半がセミプロかリタイアした人で、お金の為と言うよりは好きでアンティークの仕事を続けているのがテーブルに並んでいるクマの人形の表情やちょっとした丁寧さの中に見て取れます。ホールの一角には小さなカフェがあっておばさんたちが手作りのケーキや紅茶を、バザーみたいな感じで売っていて値段もかなり良心的です。生き馬の目を抜くようなロンドン近郊のアンティークの世界が当たり前になっている自分にはやはりこういう場所は新鮮で、ホットさせられもすれば、こんな場所がこの国で徐々に消えていくのを見てきたこの二十年が僕の脳裏にはあるわけです。
その日も六十代くらいの女性、顔の表情の綺麗な人でしたが、彼女からぬいぐるみなどを仕入れて色々と話もして、ここの主催者がやっている他の市の情報なども聞いたりしました。こんな所にいるぬいぐるみは可愛いのが割と多いです、ぬいぐるみのほうも人を選ぶのでしょうね。いろんな場所に足を運ぶ、ものを見る、話す、そして顔を覚えて貰う。この繰り返しですね、僕の仕事は。こんな単純なことの積み重ねがジワジワと効いてくる、とでも言ったらいいのでしょうか。重要なのです。
写真は左から、ロンドンのヴィクトリアの駅、Caffe Neroの店内からの眺め、Gueenswayの地下鉄のホームから見えた壁、です。 カメラが新しくなり(SONYのRX100III)、ファインダーを覗いて撮っておりますが今までと何処か違いますかね、写真が。
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先週末は一泊でエジンバラに行きました。友人の家に夕食に招かれていたのですが、少し早くエジンバラに着いてしまい、途中たまたま見つけたカフェに入りました。'Artisan Roast' と言う名前の小さな店。店の前の手摺りにもたれ掛かり立ってコーヒーを飲んでいる人が居たり、外から覗く何処か自由な雰囲気に惹かれたのでしょうか。中に入ると結構混んでいて椅子は空いてません。30代くらいのスマートな感じの中にも何処か気さくさのある男性が二人でやっている店。奥にも部屋があるようで、僕は指差しながら、そこでも飲めるのかと訊くと、勿論ですよどうぞどうぞ、と言われ奥の部屋に。昔アイルランドのダブリンに住んでいた頃によく行ったような空気感漂う空間がそこにはあり、二十代後半のあの頃の自分が急にふつふつと蘇ってきて不思議な気分。三十年近く経っていても懐かしさという感情はいとも簡単に甦るんですね、自分が歳をとっているのも忘れるほどに。
オシャレな空間のようでいて、何処となく手を抜いていて投げやりのようにも見え、速く飲むもの飲ませてお客を追い出し効率よく儲けよう、と言うのとはほど遠いマッタリ落ち着く感じ。周りにいる人が貰ったプレゼントを眼の前で開けて抱擁したり喜ぶのを自分はぼーっと眺めたり、自分のいる奥の部屋から通路越しに見える手前の人たちの笑う話す動く姿を逆光気味に眺めコーヒーを飲む。
最近のロンドンやアムステルダムには消えてしまったこのような空間。人が集まり楽しむために楽しむ場所、ポエティックと言えばまさにそのような空間。物思いに耽るにはこの上なくいい場所。お金は無くても詩心を何処かに抱えた人が集まる店。
帰りに店員の男性がポイントカードをくれました。9杯飲んだら10杯目はただ、と言うやつを。友人の家に行きこのカフェの話をすると、あそこは物書きとかちょっと変わった人が集まる店なんですよ、とのこと。道理で私は惹かれたわけですね。貰ったポイントカードを使えるくらいそこに通える日々がそう遠くない将来訪れたらいいな、と思っています。
この記事を今ロンドンのチェーン店カフェ、プレタ・マンジェで書いております。写真は左と真ん中はロンドンのリバプール・ストリート駅近郊、右はエジンバラの眺めです。
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昨日はピカデリーの本屋 Waterstones に行き、真ん中の写真にある本三冊を買いました、左から写真の撮りかたの本で、いい写真を撮りたかったらこれを読め、みたいなタイトルは一見ダサいのですが、本の構成と文章も知的で、作例に使われている写真もいい写真が多くとても良い本。文章は単に写真について語っているようでいて何処か哲学的雰囲気を帯びてもいます。同じ著者のこのシリーズの本は他に二冊あり、それもこの本屋で前に買い求めました。真ん中は、いつもそうなんですが、当て所なく Waterstones の4階にある Photography のコーナーに並べられた沢山の写真集の前を行きつ戻りつしながら、気になった物を棚から引き出しては戻し、その繰り返しをしている時に、目に止まったのがこの、このとても綺麗な写真集。SISTERS とタイトルがあるように、姉妹のポートレート写真集。写真が良いと言うだけでなく、この本も内容構成が良い。とても美しいこのような本は買わないのが無理、ムリ、です。読みたいという気持ちよりも、美しいものを所有したい気持ちですね。右は最近ハヤカワから出ている「津波の霊たち」と言う本の原書、大川小学校の亡くなった子供たちを中心に描かれたノンフィクションですが、著者はイギリス人なので英語でも読みたいと思って購入。この本も原書のデザインのほうがハヤカワの物より遥かに美しい、ちゃんと物としての存在感、重みがあります。
日本の本ももっと美しくならないのかしら、とこんな所で本に囲まれていると、うっとりしながらもふと思うのです。「みすず書房」とか「ふらんす堂」とか美しい本を変わらず出し続けている出版社はありますが全体から見ればとても少ないですね。よく本の帯にある煽情的な文章、あれも醜いですね。それに惑わされて買うベストセラーの新書は大体百ページも行かないうちに読む気も失せて終いには誰かにあげてしまう。私たちは何故紙に印刷された物を読むのか、本を本たらしめているものはなんなのか(あぁ、古臭い言い回し、、)その辺りをもっと考えて欲しい、本を作る人たちは。
この真ん中の本、SISTERS は自分の好きな時にこっそり一人で読みたい、持って回らずに。汚れるでしょ持って回ったら。とても綺麗な本ですから流石の私でも大事にしたい。
と、ここまで書いたらプレタ・マンジェの若い男性店員さんが来て、あと五分で閉店です、と言うことで、サヨナラサヨナラサヨナラ。
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ここ一二年ですか、ロンドン近郊のアンティーク・マーケットで若い中国人をよく見かけます。アンティーク・ディーラーのスタンドの前で携帯片手にずっと動かず何かやっているのです。気になる物があるとその場で写真を撮って(恐らく)中国人のお客にその画像を送って見てもらい、先方がそれを欲しいかどうか確認してから買うらしいのです。それで何時までもそこを離れず写真を撮ったりで忙しくしているのです。僕にはちょっと異様な光景ですが、こっちのディーラーも人によりますが文句も言わず好きにさせている人も結構います。買い手が見つかってから仕入れる。本人たちは賢く振舞っているつもりなのでしょうか。でも、きっとこの手の人たちはそう遠くないうちに消えていなくなるでしょうね。イギリスの年配のディーラーたちも内心そう思って放っているのかも知れません。今から十年以上前、若い日本人のアンティーク・ディーラーが沢山いて、色んなマーケットでよく見掛けました、英語も出来て土地勘もあり、デザインか何か他の仕事を掛け持ちしている、そんな若い子たち。多分思ったよりも儲からず割りに合わないと感じたのでしょうか、みんな消えてしまい今は全く見掛けません。なんの仕事もそうでしょうが、このアンティークの世界も真面目にやればやるほど効率が悪くなりますし、イギリスのアンティークの世界も中々ガードが堅いのです。一見して、どこでも入って行けそうに見えてもそこには見えない壁が幾層にもなって隠れているのです。その壁が見えて来て、それを少しずつ越えていく地道な作業。別に誰が教えてくれると言うわけでもないので、少しずつ自分をイギリス人に同化させていくしかない。卑屈にならずに自分をイギリス的なものに近付けていく。これが時間が掛かる作業なんですが、上手に同化していくと相手もそれを察知して自分への態度が変わって来る。不思議なものです。自分の場合イギリスに毎年二ヶ月くらい来続けて、この同化の作業に15年位掛かったように思います。上手く言えないのですが、イギリス人のように振舞うことと日本人であること、この二つの間の絶妙なバランスのようなものを自分の内に確立することなんです。
さて明日も早いのでもう寝ます。近い内に私の苗字「塩井」がこちらにもある、という話をしたいと思います。では。