バカラのリキュール・セット

Img_86585f749ceadf7f5f55b443a3850ffd
Img_ff231a8b8d0f61e200b222d9ae00e117
Img_137ef98efce85c80ecabc9a7b51e8aa2
フランス、バカラ社のリキュール・セット(高さ、デカンタ 20,8cm、グラス 7,8cm)です。1900年頃の物で、デカンタの裏にバカラのシールが貼られていて、デカンタ本体とトップ(蓋)に同じ番号でナンバリングされています。バカラのグラスにしては地味ですね、金彩も無く、一見するとデザインがイギリスのグラスにも見えるくらいです。こういうバカラらしくないバカラは嫌いじゃありません。一見してそれとわからない物です。
今朝俳句の本を読んでいたら、芭蕉は30代の頃に水道土木工事の職人仕事、恐らく職人さんの仕事内容を帳面に記録するような仕事をしていた、と言うことが書いてあってとても以外で驚きました。あの俳句の芭蕉が食べるのに困って土木工事の記録係のような事をやっていた。
何をやっても「食う」と言うのは大変なことです。特に自営業とは不安定さとの戦い、それと如何に上手く付き合っていくかというのがとても重要です。僕自身は余り先のことは余計には考えない、まあ来るものが来たらその時に考えればいいさ、というタイプですが、それでも売れない収入がない日が続くと堪えますね。今だから言えますが、20年近く前のことです。イギリス仕入れから帰って来て全くお金が無い、貯金も無ければお釣りも満足に無い、全財産が七千円、という日がありました。店に立つ僕の唯一の心配は、その日誰かがやって来て千円の物を買おうとして一万円札で払おうとしたらお釣りが無い、という重大な事。流石に、すみませんお釣りがないのでちょっとその一万円札をお借りして両替してきます、なんて言えないでしょ。その日の午後のこと、常連さんがやって来まして色々と眺めている間、僕のほうもその方が千円くらいの物を選ばれるのではないかと内心落ち着かず、その後、何と彼女が買おうとしたのは三千円の物。僕は差し出された商品を包み一万円札を受け取ると、出来る限りなんでも無いような顔を装い、カウンター奥の小棚を開けて千円札を数えるまでもなくそのまま全て鷲摑みするように摑んではちょっと数えるような振りもしてみたりして、そのお札を全て彼女に渡したのです。
僕は、この瞬間、余りにもの偶然の一致の三千円という金額に狼狽しつつも驚きもし、この世の中には神様のような人が居て僕を見ているんじゃないか、と本気で思いました。いや、単に全財産が七千円とバレずに済み嬉しかったのです、多分。その後すぐに店を閉めてその頂いた万札を千円に替えに行きましたね。
これ、本当にあった、20年くらい前の話しです。もうこんな思いはイヤですがいい思い出といえばそうですね。

ダイヤモンドの指輪(続き)

Img_87ea11022007b500d22a06a161ec2385
Img_0638ce29aad18a58cd284e770f2b6130
Img_df4e38d1499a545f6c7c5cd5ca975906
指輪の写真を三枚に絞れなかったので続けて載せます。今朝家で何かしている時にふと思ったのです、最近の僕のホームページのブログ(?)面白くないな、と。軽薄でつまらない。今日はそれで少し違うことを書いてみます。反省ですね。
昨日近くの古本屋の店頭で「20世紀の神秘思想家たち」(アン・バンクロフト 著)と言う本を買いました。今朝はその本のグルジェフのところを読んでました。グルジェフは20世紀の神秘思想家の中でも最も有名な一人ですね。神秘思想家に僕が昔から惹かれるのはその難解さですかね、難しいけど魅力的でどうしてもそこに近づきたい衝動を抑えられない。そう簡単に開いてくれる「扉」ではないんですね。でもその「扉」の隙き間から漏れているものがあるようで気になって仕方ない、のです。
人間長生きしてて何が楽しいか面白いかって、人間や世の中のことが前よりも深く分かるようになる前よりものがよく見えるようになる見透せるようになる、何気なくつまらないように見えるもの取るに足らないように思えるもの、そんなものが見せる微細な表情の奥にあるものが見えたように思える、そんな一瞬の時間の豊穣さ、その深さを知ることが生きることの面白さのような気がします最近。
名誉やお金も魅力的かもしれませんが所詮それらは自分の身には付かないカザリのようなもの。お金は僕も欲しいですが(今新しい自転車が買いたいのでお金欲しい)、自分の人生観を変えてまで欲しいとは思わないかな(お金を儲けるとは人生における優先順位、プライオリティを変えることですから)。

ダイヤモンドの指輪

Img_45e65c34bcc3a265f49ae515395e120e
Img_2f13e126a6775cba4d1153936f4553dc
Img_4ac96d8847e13ae8a72963546f3f945c
今回仕入れたダイヤモンドの指輪、ローズカットのダイヤに18金のゴールド、バーミングハム、1908年製です。大きさは14号くらいなので男性でも女性でもいけますね。とてもカッコいい指輪です。似合うならば自分でしたいくらいです。個人的にとてもお気に入りの指輪です。
僕の店の近くにローソンがあります。そこは夜の12時から翌朝の7時まで閉まります。そのことと関係があるかは分かりませんが、店員さんに感じのいい人が多く、経営されているご夫婦もとても良い人です。そのコンビニにもう5年くらい前ですかねちょっと変わった中国人の女性が働いてました。金沢の大学に留学してバイトをしていたのですが、僕が朝そのローソンに新聞を買いに行くと、レジでお金を払うときにその子が新聞の一面の見出しの時事問題を指差して、これについてどう思いますか、と訊いてきたりするのです。丸顔のぽちゃっとした女の子でしたが言うことが中々はっきりして面白い子でしたが、大学院に受からず帰国しましたね。
僕は四角四面のそつも無ければ面白味のないただ売るためだけの接客が嫌いです。例えば(実際にあったことですが)僕がポール・スミスに服を買いに行ってコートか何かを試着してみると、どうもイマイチで、僕が、もうちょっと手脚が長かったら似合うんだけどね、と言うと、いえ、とてもお似合いです、と決まりきったセールス文句を言われても、まあ信じませんよね。グッと心に響かない。
それから要らないものを勧めてくる店員さんも苦手です。野菜屋でも古くなったのをはかせたいのか矢鱈に勧めてきたり。
まあ簡単に言うと、僕は自分の言葉で話してくれる店員さんが好きみたいです、マニュアル言葉でなく自分の言葉で物について語れる人がいいですね。後、何でもかんでもイイデスよ、と言わずに多少のマイナス面も含めてきちんと説明できる人。誠実さですかね売り手としての。
それとお店の人の自然な笑顔なんかもいいですよね、営業笑顔でなく。僕が時々行く郊外の中華料理屋を営む中国人のご夫婦の笑顔、特にご主人の笑顔が素敵なんです。どんなに忙しくて疲れていても破顔の笑みで迎えてくれるんです。偉いな、と思います。僕のような甘ちゃんには到底無理ですね。鍛われかたと人格が彼には到底及びません。
今度お客さんが入ってきたら満面の笑みで迎えて、いらっしゃいませステキなアンティーク沢山ありますよ、と明るく陽気にいきましょうかね。

フランスのタンブラー

Img_54f819e047c3363d414fd7a09e98e4cd
Img_2dae27f74d154defb1b1c176e9675089
Img_0a9c41ca91a2a6fea1923a4cc25d3f49
フランスのカット・タンブラー(8.2cm x 7,1cm 、7,7cm x 6,5cm)、恐らく1800年頃、上端の部分が白く見えるのは金彩の剥がれた跡です、小さなチップもそれぞれに一つ位あります。いい加減な業者なら
オールド・バカラだよ、と適当なことを言って高く売るでしょう。ガラスの色はややグレーがかってますし、持った感じは軽いです。なにせ薄いのでストレートでお酒を飲むのに向いてます。
昨日から金子文子の自伝を読んでいます。大逆罪で捕まり天皇からの恩赦を受けず、若干23歳で獄中で縊死した女性が獄中で綴った伝記です。とても凄いものを読んでいますね、読みながら止められません、書くとは何なのかどういうことなのか、文学とは何なのか、そんな根源的ところから自分が知っていると思い込んでいたものが揺さぶられる強力な力がこの本にはあります。22歳でこのような本を獄中で書いてしまう、そして恩赦を拒み縊死する、何と言う烈しさでしょう。その激烈さは読んでいても圧倒されてしまい、だから読むのを止められないのです。まだ一気に100ページばかり読んだところですが、忘れられない本になりそうですね。
高校の教科書から文学的内容の読み物が大きく減らされるそうです。もっと実用的な文章に重きを置くそうです。中島敦の短編なんかは消える訳ですね。文科省はバカですね。と言うか、国民が馬鹿にされてるのかも知れません、どうせオマエラ頭悪いんだから色々余計なこと考えずにタダハタラケ、と言うことでしょうか。そう、文学って余計なんですよね、無くてもいい、コース料理で言えばメインディシュでなくてデザートなんですね。もうデザートなんか食べるな、ただ栄養だけを取れ摂取しろ、と言うことですかね。まあ国民から想像力を奪うための作戦の一つですかね、文学禁止策も。

ピンクのワイングラス

Img_f5a29d5fc83cea4a602b1668ec4050fd
Img_37c63021cfd80fa79573b85f55f852e0
Img_c48ae335e3283e11ed2ad5a26f1137ba
ピンク色のワイングラス(13,4cm x 7,1cm)、イギリス製、1900年頃の物。ガラス生地もとても良いです。形状と色からしてシャンパンやロゼのスパークリングなんかも良いかも知れませんね。日本酒もいけるでしょう。全部で4客です。
先日行きつけのカフェに行くのに街を歩いていたら、知り合いの外国人女性にバッタリ会いました。ちょっと変わった人で僕は気が合うのです。立ち話をしているときに彼女が耳に小さな丸いガラスのイヤリングをしているので、これ何、と訊くと、あぁこれね、これフリン、えっ、フリンって、、、あぁ違う、フウリンね風鈴、と言うので僕は続けて、フリンはアレでしょ、ほらあれよ不倫、マズい奴よ、と言い二人で大笑い。また話をそれから続けてると何故か金沢の話しになり、僕が、僕はほら金沢が嫌いだから、と言うと彼女は、ナンデワタシニソンナコトイウ、と返してから、流石の僕でも言わないような言葉で金沢のことを罵倒し始める。おそらく彼女は結婚してこの街に住んでいる筈なのだが、茶道もやればこの街を訪れる留学生をホームステイさせたり地元のサッカーチームのヴォランティアを買って出たりで、僕よりもはるかにこの街としっかり関わっている。その彼女の罵倒の言葉と街との関わりかたは矛盾しているように思うかもしれないが、僕には彼女のその矛盾が良く分かるのだ。僕の言動も同じく矛盾しているから。いや矛盾ではなく外からは矛盾に見えるだけのこと、なんです。
先日買った俳人、西東三鬼 著「神戸・続神戸」(新潮文庫)をほぼ読了。誠に楽しい読書でした。その直前に「女たちのテロル」(ブレイディみかこ 著)を買い読み始めたものの、その彼女が使う言葉の下品さ、と言うか酷さにうんざりさせられていたので良い口直しとなりました。因みにこの「女たちの・・」、装丁も酷く、岩波もこんなものを作る時代が来たんだな、とただ唖然。
西東三鬼、いいですよ!お勧めします。